灰色のコンクリートの床に置かれた、形の違う、曲面の黒い成形革の板と、鈍い銀のリングとリベット
OBJECTS

プロテクターとハーネス──INNERRAUM の「物体」の作り方

モータースポーツのプロテクターやハーネスのような、別の場面の部品を組み合わせて作る INNERRAUM。ふくらんだ有機的な形、ポリマーの板、革のストラップとラチェットの金具。作りの特徴を、資料で整理する。

文 Shiori Kinugasa | 公開 2026.11.01 イメージ画像(AI生成):部品のイメージ(実在の商品ではありません)
部品が、ほかの場面から、やってくる。
それを組み合わせると、一つの物体になる。

別の場面の部品

Fashion Press は、INNERRAUM を、モータースポーツで使うプロテクターなど、別の文脈で使われる部品を組み合わせて物を作るブランドと説明する。FASHIONSNAP も、モータースポーツのプロテクターやハーネスなどの部品を、異なる背景の素材と合わせ、解体、再構築、再配置する、と書く。

形

Rawlooks は、ポーチやバッグの形を、2000年前後の工業デザインに通じる、ふくらんだ、有機的な形に、機能的な服のディテールと、鎧のようなポリマーの板を合わせたものと説明する。外側は、組み合わさる板を、装飾的な金具で留めた作りで、中は、薄く綿を入れたメッシュの裏地。

締め具合

Rawlooks によれば、革のストラップと、ラチェットの金具で、締め具合を調節できる。Fashion Press が伝える2025年春夏のバッグでは、ストラップは、工業用のハーネスのようで、「INNERRAUM」と書かれた樹脂のチャームに、パンクな金属の輪が付く。

冷たい灰色の布の上に並べた、鈍い銀の金具、ラチェットの部品、リングと、細いペンチ
イメージ画像(AI生成):金具のイメージ(実在の商品ではありません)

殻としてのバッグ

INNERRAUM の公式サイトの About は、バッグを、組み合わされた殻、持ち物と体験の入れ物と説明する。身体が部分の集まりであるように、物体も部分の集まりで、身体の延長として体験される、という考えである。

素材と、組み立て

Rawlooks によれば、高品質な再生素材を使い、イタリアで手作業で組み立てる。製造は、Plant-for-the-Planet を通じて、気候中立だと、同じ記事は説明している。

見方

バッグの形をした彫刻、と呼びたくなる見た目だが、ブランドは、それを「物体」と呼ぶ。部品の由来が、見た目の強さを生んでいる。

要点

POINTS
  • INNERRAUM は、モータースポーツのプロテクターなど、別の場面で使われる部品を組み合わせて作る(Fashion Press、FASHIONSNAP)。
  • 形は、2000年前後の工業デザインに通じる、ふくらんだ有機的な形に、機能的な服のディテールと、鎧のようなポリマーの板を合わせる(Rawlooks)。
  • 革のストラップと、ラチェット(歯止め)の金具で、締め具合を調節できる。組み立てはイタリアの手作業(Rawlooks)。
この記事を書いた人 Shiori Kinugasa
参考資料:Rawlooks「About Innerraum」 https://rawlooks.com/?p=15258 Fashion Press「ジュンヤ ワタナベ×インナーラウム25年春夏バッグ」(2025年2月10日更新) https://www.fashion-press.net/news/125460 FASHIONSNAP「ジュンヤ ワタナベ・マン 2023-24年秋冬コレクション」(2023年1月31日更新) https://www.fashionsnap.com/article/2023aw-junyawatanabe INNERRAUM 公式サイト「About」 https://www.innerraum.com/about/ (確認日:2026年10月27日。形の説明は、Rawlooks の記述に拠る。日本語の公式の説明は、見つからなかった)

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