1987 パリで、始まる
アトリエという名前
A.P.C.(アー・ペー・セー)は、1987年、パリで、ジャン・トゥイトゥが創業したブランドである。名前は、「Atelier de Production et de Création(制作と創造のアトリエ)」の頭文字。創業年を、1986年とする資料もある。
名前のない最初のコレクション
最初のメンズ・コレクションには、ブランド名がなかった。ラベルには、「WINTER 87(1987年冬)」とだけ、書かれていた。トゥイトゥは、創業の時点で、既に、ケンゾー、agnès b.、Irié、そして音楽業界で働いていた。ファッションを、内側から知っていた人である。

生デニムの、ジーンズ
人工的に色を落とす時代に
1980年代の終わり、デニムの世界は、ストーンウォッシュなど、色を人工的に落としたジーンズが、主流だった。A.P.C. は、洗いも、色落ち加工もしない、生(ロー)のジーンズを、作った。公式サイトは、それを、「加速への拒否」と表現している。生のジーンズは、買った日から、着る人のものとして、育ちはじめる。
最初のジーンズから、1988年の店へ
ジーンズのことは、別の記事で読む。1988年には、最初の店が、パリにできた。ボタンのシンボルも、この年から、ジーンズに付いている。
広告に頼らず、広がる
ブランドは、広告を出したことがない、と説明している。大きなロゴも、広告の企画も、高い雑誌の見開き広告も、使わなかった。それでも、1990年代の初めには、世界のファッション誌に、特に日本で、登場するようになったという。ウィメンズのラインは、1990年に始まったとされる。

2019 Interactions
2019年、ブランドは、デザイナー、音楽家、ブランドなどとの協業を見せる、「Interactions」を始めた(2018年とする資料もある)。協業のことは、別の記事で読む。
今の A.P.C.
公式サイトは、A.P.C. の姿勢を、シンプルさ、耐久性、汎用性と説明している。上質な生地を中心に、一つ一つの服は、控えめで、古典的。そこに、風変わりさに近づくほどの、反骨の少しの要素が入る。端正な仕立てと、目立たない外見は、着る人の個性を、引き立てるためのもの、とも述べている。デニムと、デミ・リュヌ(半月形)のバッグが、その姿勢を表す、という。
価値として挙げているのは、本物らしさ、透明性、帰属意識、持続可能性である。
手に取るなら
入り口は、ブランドの原点である、生デニムのジーンズが分かりやすい。生地、縫い方、ボタンの小さなシンボルまで、ブランドの考え方が、一本に集まっている。


