棚に畳まれた、濃いインディゴの生デニムのジーンズと、エクリュのシャツ、オリーブのニット
A.P.C. HISTORY

A.P.C.、パリで生まれた「目立たない」ブランドの歩み

1987年、パリ。ジャン・トゥイトゥが始めたブランドは、生デニムのジーンズを軸に、広告にも、大きなロゴにも頼らず、世界に広がった。創業から、今までをたどる。

文 Shiori Kinugasa | 公開 2026.10.17 | 更新 2026.10.22 | 読了 3分 イメージ画像(AI生成):生デニムのイメージ(実在の商品ではありません)
名前を叫ばない服が、
名前を知られていった。

1987 パリで、始まる

アトリエという名前

A.P.C.(アー・ペー・セー)は、1987年、パリで、ジャン・トゥイトゥが創業したブランドである。名前は、「Atelier de Production et de Création(制作と創造のアトリエ)」の頭文字。創業年を、1986年とする資料もある。

名前のない最初のコレクション

最初のメンズ・コレクションには、ブランド名がなかった。ラベルには、「WINTER 87(1987年冬)」とだけ、書かれていた。トゥイトゥは、創業の時点で、既に、ケンゾー、agnès b.、Irié、そして音楽業界で働いていた。ファッションを、内側から知っていた人である。

漆喰の壁の店に、無地の服が並ぶレール
イメージ画像(AI生成):パリの店のイメージ(実在の商品ではありません)

生デニムの、ジーンズ

人工的に色を落とす時代に

1980年代の終わり、デニムの世界は、ストーンウォッシュなど、色を人工的に落としたジーンズが、主流だった。A.P.C. は、洗いも、色落ち加工もしない、生(ロー)のジーンズを、作った。公式サイトは、それを、「加速への拒否」と表現している。生のジーンズは、買った日から、着る人のものとして、育ちはじめる。

最初のジーンズから、1988年の店へ

ジーンズのことは、別の記事で読む。1988年には、最初の店が、パリにできた。ボタンのシンボルも、この年から、ジーンズに付いている。

広告に頼らず、広がる

ブランドは、広告を出したことがない、と説明している。大きなロゴも、広告の企画も、高い雑誌の見開き広告も、使わなかった。それでも、1990年代の初めには、世界のファッション誌に、特に日本で、登場するようになったという。ウィメンズのラインは、1990年に始まったとされる。

オーク材の机に、畳んだ生成りのシャツと、椅子にかけたデニムのジャケット
イメージ画像(AI生成):控えめな服のイメージ(実在の商品ではありません)

2019 Interactions

2019年、ブランドは、デザイナー、音楽家、ブランドなどとの協業を見せる、「Interactions」を始めた(2018年とする資料もある)。協業のことは、別の記事で読む。

今の A.P.C.

公式サイトは、A.P.C. の姿勢を、シンプルさ、耐久性、汎用性と説明している。上質な生地を中心に、一つ一つの服は、控えめで、古典的。そこに、風変わりさに近づくほどの、反骨の少しの要素が入る。端正な仕立てと、目立たない外見は、着る人の個性を、引き立てるためのもの、とも述べている。デニムと、デミ・リュヌ(半月形)のバッグが、その姿勢を表す、という。

価値として挙げているのは、本物らしさ、透明性、帰属意識、持続可能性である。

手に取るなら

入り口は、ブランドの原点である、生デニムのジーンズが分かりやすい。生地、縫い方、ボタンの小さなシンボルまで、ブランドの考え方が、一本に集まっている。

要点

POINTS
  • 1987年、ジャン・トゥイトゥがパリで創業した(1986年とする資料もある)。
  • 最初のメンズ・コレクションには、ブランド名がなく、ラベルは「WINTER 87」だけだった。
  • 広告を出したことがない、とブランドは説明している。最初の店は、1988年にできた。
この記事を書いた人 Shiori Kinugasa
参考資料:A.P.C. 公式サイト「THE BRAND」 https://www.apc-us.com/pages/the-brand A.P.C. 公式サイト「Denim FAQ(99 Truths)」 https://www.apc-us.com/pages/faq-denim-a-p-c A.P.C. 公式サイト「Interactions」 https://www.apc-us.com/pages/interactions Heddels「A.P.C. - History, Philosophy, and Products」(2017年) https://www.heddels.com/2017/10/a-p-c-brand-profile-history-philosophy-and-products/ Encyclopedia.com「Touitou, Jean」 https://www.encyclopedia.com/journals/culture-magazines/touitou-jean (公式サイトの確認日:2026年10月17日)

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