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漆喰の壁の木のフックに、ウエストで吊るした濃いインディゴのジーンズ
THE STANDARD

ニュー・スタンダード──基準になるジーンズの、つくりと意味

A.P.C. の最初のジーンズは、「スタンダード」と呼ばれた。生地の重さ、ステッチの色、ボタンの小さなシンボルまで、公式サイトの説明で、ジーンズのつくりを読む。

文 Shiori Kinugasa | 公開 2026.10.17 | 更新 2026.10.23 | 読了 3分 イメージ画像(AI生成):ジーンズのイメージ(実在の商品ではありません)
名前を探しても、見つからない。
だから、ボタンを、よく見る。

なぜ「スタンダード」なのか

A.P.C. の最初のジーンズが、スタンダードと呼ばれたのは、基準になるジーンズを作る、という志があったからだ。手に入れて、はき込み、同じ形で、また買い直す。そのためのジーンズである。公式サイトは、スタンダードは「ふつう」ではなく、全てを測る物差しだ、と説明している。

ウエストバンドは、本来、バイアスに裁つところを、経験のなさから、地の目で裁った。誰も気づかず、そのままになり、ブランドの特徴になった。

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生地の重さ

ニュー・スタンダードの生地は、1平方ヤードあたり14.5オンス、メートル法では、約411g/㎡。サイズ30のジーンズは、ハンガーにかけて、約850gになる。朝、穿くときに、重さを感じ、3週間はき込むと、自分で立つほどになる、とブランドは述べている。

軽すぎず、重すぎない重さは、「毎日穿いて、味が出る」ことを狙った、意図的な選択だという。Heddels は、ニュー・スタンダードを、スリムストレートで、中厚の、赤い耳のデニムでつくられたものと紹介している。

濃いインディゴのデニムの、後ろポケットと縫い目のアップ
イメージ画像(AI生成):縫い目のイメージ(実在の商品ではありません)

二色のステッチ

縫い目は、二本の糸を使う。インディゴに溶け込む青と、ブランドの署名になった、キャラメル色である。最初は、コントラストが、ほとんど見えない。デニムが色落ちするにつれて、前に出てくる。二列のステッチは、負担のかかる部分を補強し、生デニムが、慣らしの間、形を保つことも助ける。

革のパッチがない

ウエストの後ろに、革のパッチはない。リーバイスの革のパッチは、1886年に登場し、二頭の馬が、ズボンを引き裂こうとする絵が描かれている。丈夫さの証明であり、英語を読めない客にも、本物と分かる目印だった。A.P.C. は、百年後の、別の時代に、別の考えで来た。パッチは、材料を足すので、割れ、黄ばみ、やがて取れる。自分で署名できるものに、署名を足す必要はない、というのが、ブランドの答えである。

ボタンの小さなシンボル

A.P.C. のジーンズで、目に見える、ほぼ唯一のしるしが、ボタンに刻まれた、ギターのネックと短剣の交差である。近くで、よく見ないと、分からない。ギターは、ジャン・トゥイトゥの、1964年のグレッチ・テネシアン。

短剣は、祖母(愛称ニネット)が、ペーパーナイフとして使っていたものである。1988年から、最初のボタンに、「Rue Madame près du Luxembourg」という文字とともに、このシンボルが刻まれている。

濃いインディゴのジーンズとオリーブのニットで、パリの通りを歩く人の後ろ姿
イメージ画像(AI生成):日常に履くジーンズのイメージ(実在の商品ではありません)

選ぶときの見方

  • 生地の重さ:14.5オンスは、慣らしに時間がかかるが、味が出るまでの道のりを、楽しむ人向け
  • 色の変化:ステッチの青とキャラメルが、色落ちとともに、浮かび上がる
  • しるし:ロゴの代わりに、ボタンのシンボルを、探してみる

生地と色落ちのことは、「生デニムと、インディゴの経年変化」の記事で読める。

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要点

POINTS
  • ニュー・スタンダードは、基準になるジーンズを作る志から、そう呼ばれた。
  • 生地は14.5オンス(約411g/㎡)。ステッチは、青とキャラメルの二色である。
  • 革のパッチはなく、ボタンのギターと短剣の小さなシンボルが、ほぼ唯一のしるしである。
この記事を書いた人 Shiori Kinugasa
参考資料:A.P.C. 公式サイト「Denim FAQ(99 Truths)」 https://www.apc-us.com/pages/faq-denim-a-p-c Heddels「A.P.C. - History, Philosophy, and Products」(2017年) https://www.heddels.com/2017/10/a-p-c-brand-profile-history-philosophy-and-products/ (公式サイトの確認日:2026年10月17日)

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