1999 東京で、始まる
阿部千登勢と、sacai
sacai は、1999年に、阿部千登勢が、東京で創業したブランドである。公式サイトの About は、そう書いている。W Magazine(2025年)も、1999年としている。一方、Hypebeast(2017年)は、1998年の創業と書いており、年は資料によって分かれる。
手編みの5着
Interview Magazine(2015年)によれば、阿部は、1997年に、ファッションの仕事を離れて、娘を育てていた。その間に、「やはり、物を作る仕事に戻りたい」と考え、編み針と毛糸を買って、5着を手で編んだ。「5つのシルエットだけで、ブランドを作るという考えは、その頃、ユニークに思えた」と、本人は語っている。ブランドの名前は、旧姓の Sakai を変えたものだと、同じ記事は伝えている。
ハイブリッドという考え方
公式の About は、sacai の考え方を、「ハイブリダイゼーション(掛け合わせ)」と説明している。ニットと、非常に薄い織物のような、対照的な質感の素材を並べ、服のパターンを読み替える技法で、思いがけない形とシルエットにする。ウィメンズの服は女性らしく見えるが、阿部が目指しているのは、唯一無二で、時代に左右されず、革新的で実験的な服だという。詳しくは、別の記事で読める。
メンズ、パリ、旗艦店
2009 メンズとパリ
メンズのコレクションは、2009年春に始まった。ウィメンズと同じ哲学と、似た方法で作る、上品さを少し足した、丁寧な定番の服だと、公式サイトは書いている。ウィメンズは、2009年10月から、パリのファッションウィークで見せていて、今は、メンズとウィメンズの両方を、パリで見せている。

2011 南青山の旗艦店
最初の旗艦店は、2011年9月に、東京の南青山に開いた。建築家は、藤本壮介。自然と人工物、内と外、新しい物と古い物といった、反対の要素を繋ぐ仕事を、阿部は、自分と重なると感じたという。全ての店の内装は、コラージュや DIY のアーティスト集団 GELCHOP が手がけている。古い家具の木、鉄、アクリル、鏡など、一見ばらばらの素材を、繋ぎ合わせた家具が、大胆で新しい形になっている。

店と催しも、表現に
Hello sacai
「Hello sacai」は、2018年にパリで始まった企画で、2020年には、北京、上海、香港でも開かれた。2022年12月10日からは、東京の表参道で、アップサイクルをテーマにして開かれた。青山の店の服を GELCHOP が作り直し、原宿の古着店 BerBerJin と組んで、古着を新しいデザインにしている。
今
公式の About は、sacai の旗艦店が、東京、香港、北京、ソウルにあり、世界の専門店や百貨店でも買える、と説明している。2025年には、定番の服をまとめた「sacai THE classics」が、新しい品を足して発売された。協業のことは、別の記事で読める。
自分の手で、動かす
Interview Magazine(2015年)は、阿部が、ブランドの唯一の所有者で、投資の申し出を、ずっと断ってきたと伝えている。本人は、「創作も、事業も、全て自分の管理のもとにあったから、今のブランドになったと思う」と話している。
W Magazine(2025年10月)も、阿部を唯一の所有者と書き、従業員は160人、35か国以上で販売していると伝えている。「ブランドの所有を保つことは、本物らしさの一部だと考える傾向がある」と、本人は答えている。
手に取るなら
入り口は、ニットと織物のような、素材の組み合わせが分かりやすい一着か、定番の「THE classics」が良い。人物のこと、ハイブリッドの考え方のことは、別の記事で読める。


