ブランドを持つ会社
Monocle によれば、Goldwin は、The North Face、Helly Hansen、Ellesse、Danskin の、日本での商標権の契約を持っている。この契約によって、日本の市場にだけ向けた、独自の商品を、自由に作って売れる。
2022年の時点で、グループには165の店と、6つのオリジナルのブランドがあり、年間の売上は、約1000億円に迫る。オリジナルのブランドには、Goldwin、Neutralworks、nanamica が含まれる。
権利を、少しずつ
契約の年表
Monocle の年表によれば、1970年に Fusalp、1976年に Ellesse、1983年に Danskin と Helly Hansen のライセンス契約を結んだ。The North Face は、1978年に、日本での販売を始め、1994年に、日本での商標権を取得した。
Helly Hansen の日本での商標権は、2017年に取得している。有価証券報告書の沿革には、2001年に、カンタベリーオブニュージーランドジャパンの株式を取得し、2022年4月に、吸収合併したことも書かれている。
nanamica と、Purple Label
自分たちで作って、売る
Takao Watanabe は、Monocle に、2005年に、nanamica が始まったと語っている。Helly Hansen の部署にいた、Eiichiro Homma が作ったレーベルで、手元の商標権を使って、The North Face Purple Label を作ることにした。
日本で、スポーツとアウトドアの服を、自分たちでデザインして、複数のブランドを扱う店に売る、新しいビジネスの形の始まりで、ファッションの市場に出る、きっかけになった。有価証券報告書の沿革には、2003年3月に、株式会社ナナミカを設立したと書かれている。
黒を採り入れた人
街で着られる色へ
Watanabe は、かつて、登山の世界では、黄色、赤、ロイヤルブルーなど、目立つ色が主流だったと語る。街の暮らしにも使えて、年に3シーズン以上着られる服にしたくて、1990年代の初めに、黒、グレー、ネイビー、カーキを採り入れた。

当時、アウトドアの市場で、黒を使う人は、いなかった。主な販路のアウトドア専門店は、新しい色を好まなかったが、自社の店と百貨店では、よく売れた。2022年の時点で、The North Face のコレクションの60%が、黒だという。
コアと、モア
Monocle によれば、Goldwin には、「コア・アンド・モア」という方針がある。「コア」は、スポーツと探検の、最高の性能の装備で、The North Face の Summit Series が例になる。
売上の数パーセントにすぎないが、他の商品の研究開発を支えている。「モア」は、日常に広がる、ライフスタイルのライン。直営の The North Face の店では、売上の60%が、ライフスタイルのライン、30%が、パフォーマンスのラインだという。
日本で作る、という考え
Watanabe は、自社を、まず製造業だと位置づけている。富山に、研究所と、マザー工場を持ち、試作と、効率の良い工程を作ってから、協力工場に、大きな量を任せる。糸や染料も、取引先と、共同で作るという。

ロンドンやニューヨークの店に、The North Face と Purple Label を卸したことがあったが、あまり売れなかった、とも語っている。日本では、服だけでなく、着こなしの提案と、接客を売る、と話している。
サステナビリティ
Monocle によれば、2030年までに、繊維のごみをゼロにし、環境に優しい素材の割合を、28%から90%に引き上げることを、目標にしている。
見方
Goldwin は、ブランドを買う会社でも、真似をする会社でもなく、日本の市場に合わせて、作り直せる権利を持つ会社だった。その形が、nanamica、Purple Label、そして Goldwin 自身のライフスタイルラインへ、広がっている。


