CloudTec とは
形でつくる、クッション
CloudTec は、公式サイトによれば、靴底の構造のクッションのシステムである。フォームを、いくつもの専用の形に設計することで、様々な感触をつくり、衝撃を吸収して、多方向の支えをつくる。公式サイトは、靴ごとに、合わせてつくると説明している。

見えないこともあるが、靴の動きを決めているのは CloudTec だ、と公式サイトは書く。一番よい設計は、見えるものではなく、感じるものだという。
ガーデンホースから
始まりは、ガーデンホースの切れ端を靴底に貼った、ベルンハルトの実験である。Designboom は、この試作品から CloudTec が生まれたと書いている。2011年には、チューリッヒ工科大学(ETH)の研究で、On の靴を履いた走者の脈拍と、血中の乳酸値が、有意に低かったという結果が出たと、同じ記事は伝えている。
形で変わる性格
Cloudrunner──安定
Cloudrunner のコレクションは、広く安定した形の CloudTec を使う。精密に設計した空洞が、エネルギーを中底に送り、左右のぶれを減らして、効率のよい足運びをつくる、と公式サイトは説明している。一番安定した、走りの体験だという。
Cloudmonster──反発
Cloudmonster のコレクションは、六角形の CloudTec のポッドを使う。ポッドは、着地でエネルギーをため、蹴り出しで放つ。公式サイトは、これを、一番反応のよい乗り心地と表現している。

他の名前
公式サイトの CloudTec のページには、CloudTec Sphere、CloudTec Connect、CloudTec Phase という、派生の名前も並ぶ。
2025〜2026 新しい展開
Cloudsolo──LOEWE との1足
2025年10月8日に発表された LOEWE × On の Cloudsolo は、両ブランドが共同で設計した、初めての靴である。かかとに、一つの CloudTec の「雲」を置いたのが、特徴と公式のリリースは説明している。協業のことは、別の記事で読める。
Cloudsurfer 3──Surreal と CloudTec Phase
2026年9月15日に発表された Cloudsurfer 3 は、新しいフォーム「Surreal」と、設計し直した CloudTec Phase を組み合わせている。
On は、有限要素解析によるシミュレーションの結果として、フォームだけの場合と比べて、圧縮が15.5%深くなり、ピークのブレーキ力が9.9%減ると説明している。数字は、On の社内のシミュレーションによるもので、実際の走りでの結果ではない。
On の発表によれば、Surreal は、チューリッヒの On Labs にある、社内のフォームの研究拠点で開発された。Cloudsurfer 3 は、この新しいフォームを使う、最初の製品である。
技術から見る
CloudTec は、名前の通り、雲のような形をしている。けれど、中身は、形を設計して、感触をつくるという、構造の考え方である。靴を選ぶときは、素材の名前より、安定を求めるのか、反発を求めるのかを、自分に聞いてみたい。靴ごとの違いは、別の記事で読める。


