叫ばない、という選択
A.P.C. は、広告を出したことがない、と説明している。キャンペーンも、大きなロゴも、高い雑誌の見開き広告もない。公式サイトのDenim FAQは、「真実は、製品の中にある」と書く。
百科事典(Encyclopedia.com)も、トゥイトゥが、広告に資金を使わず、有名人に服を贈ることもせず、会社は成功できると、固く信じていた、と伝えている。パリのファッション・ウィークにも、参加しなかった。代わりに、モデルを2人雇い、新しいコレクションを、親しい人たちに、くだけた雰囲気のパーティーで見せたという。
ロゴの代わりに
- 革のパッチがない:自分で署名できるものに、署名を足さない
- ボタンのシンボル:ギターと短剣の、小さな交差。近くで見ないと分からない
- 耳(セルヴィッジ):裾を折り返したときだけ、見える
ジーンズの、署名は、ロゴではなく、切り方、生地、落ち方にある。街で、ラベルを見なくても、「あれは、A.P.C. だ」と分かる。それには、年月がかかる、とブランドは述べている。

広がり方
成功は、計画していなかった、とブランドは言う。誰も成功を計画できない。人々が、この物語を、自分たちの物語でもあると、決めたときに、成功が起きる。1990年代の初めには、世界のファッション誌に、特に日本に、現れ始めた。その広がりは、何の得もない、見知らぬ人々によって、運ばれた、というのが、ブランドの説明である。
変えない、ということ
ジーンズの生地の仕上げは、変えていない。秘密の配合は、変えれば、ただのレシピになる、と公式サイトは書く。生地は、一つで、型は、少し。カプセルコレクションも、限定品もなく、同じ物を、毎年出す。ブランドは、「良いものなら、なぜ変えるのか」という考えを、その理由に挙げている。
控えめな姿
公式サイトは、A.P.C. の姿を、端正な仕立てと、目立たない外見で、表現している。服は、着る人の個性を、引き出すためにあり、服が、人より先に出るためではない。品質を、量より重んじ、シンプルさの美しさを、味わう人に向けたブランドだ、とも説明している。

手に取るなら
広告も、ロゴも、頼りにならない。だから、服その物を、見るしかない。生地、縫い目、シルエット。小さなシンボルを、探すところから、このブランドの見方が始まる。


