2010 スイスの山で
ガーデンホースの実験
On は、2010年に、スイスの山で始まったブランドである。公式サイトは、始まりを、こう説明している。元アスリートのオリヴィエ・ベルンハルトが、これまでにない感触の、ランニングシューズを作りたいと考えた。そこで、ガーデンホースの切れ端を、試作品の靴底に貼って、実験を始めた。
2010年に、キャスパー・コペッティとダヴィッド・アレマンが加わり、3人の友人が、同じ目標を持つことになった。目標は、走る感覚その物を、変えることである。「雲の上を走る」感覚は、この実験から生まれた、と公式サイトは書いている。

最初の受賞
2010年3月、改良した試作品は、スポーツ用品の見本市 ISPO の「BrandNew Award」を受賞した。公式サイトは、スイスで開発し、できるかぎり先進的な技術を使って、最高の性能の靴を作ることが、目標だったと述べている。会社の設立は、2010年1月とする資料もある(Designboom)。
靴から、会社へ
CloudTec という核
靴底の構造のクッション「CloudTec」が、このブランドの核である。フォームを、様々な形に設計して、着地の衝撃を吸収し、多方向の支えをつくる、と公式サイトは説明している。詳しくは、別の記事で読める。
研究の場所、On Lab
開発の拠点は、チューリッヒの「On Lab(On Labs)」である。公式サイトによれば、科学者や技術者が、ここで、新しい技術を実験し続けている。2026年9月の Investor Day も、同じ場所で開かれた。

上場、そして世界へ
2021 ニューヨーク証券取引所へ
2021年9月14日、On は、新規株式公開(IPO)の価格を、1株24ドルに決めたと発表した。クラスA普通株が、9月15日から、ニューヨーク証券取引所で、「ONON」の銘柄コードで取引を始めると、リリースは伝えている。
ロジャー・フェデラーが、2019年11月に、株主になったことは、Wikipedia に書かれている。2020年7月には、フェデラーと作った靴「THE ROGER」が発売された。
靴の外へ
On は、靴から、アパレル、アクセサリーへと、領域を広げた。公式の会社紹介は、今、ランニング、アウトドア、トレーニング、日常、テニスのための、靴、アパレル、アクセサリーを作っていると説明している。80か国以上で展開する、とも書いている(2026年10月のリリース)。
ファッションの側との協業も、増えている。LOEWE、Zendaya、BEAMS、PAF などとの仕事は、別の記事で読む。
今の On
2029年までの目標
2026年9月22日、On は、チューリッヒで、Investor Day を開いた。2026年から2029年までの戦略を発表し、2029年に、純売上高を、少なくとも56億スイスフランにする目標を掲げている。
共同CEOのダヴィッド・アレマンは、17年近く前の、走ることは根本的に違って感じられるのか、という問いから始まったと語り、今は、運動が、実用ではなく、アイデンティティになった人たちに向けて、ブランドを作っていると述べている。
サッカーへ
2026年9月18日、On は、キリアン・エムバペとともに、サッカーに参入すると発表した。ティエリ・アンリが、サッカー部門のディレクターに就くことも、同じ日に伝えられた。ブランドの始まりである走ることから、新しい競技へ、舞台が広がる。
手に取るなら
入り口は、ブランドの原点である、靴底の「雲」の考え方を知ってから、靴を選ぶのが分かりやすい。技術のこと、走る靴の選び方のことは、別の記事で読める。


