白い服のラックと、染めの見本、色とりどりの糸が並ぶ机
CANVAS

Canvas──服を、買う人が仕立てるという実験

2020年、SUNNEI は、VRを使ったカスタマイズの仕組み「Canvas」を始めた。袖の長さ、生地、色、染め、ステッチを選んで、自分の店のコレクションを作る実験をたどる。

文 Shiori Kinugasa | 公開 2026.10.17 | 更新 2026.10.23 | 読了 2分 イメージ画像(AI生成):白い服に色を足すイメージ
白い服に、色を足していく。
仕上げるのは、買う人たち。

2020 ロックダウンのなかで

2020年の夏、SUNNEI は、新しい仕組み「Canvas」を発表した。WWD によると、ミラノがロックダウンされた2月に、ずっと考えていた、自分たちの事業のやり方を試す時が来たと、シモーネ・リッツォは考えたという。ブランドの売上の約7割は、卸売だった。

白い服に絵の具の色が飛んだ、顔のない人形のようなアバターが並ぶ、仮想のショールーム
イメージ画像(AI生成):Canvas のイメージ(実際の画面ではありません)

仕組み

  • VRに対応した、自社開発のプラットフォーム
  • 30の小売店が、50点のジェンダーレスな服と小物を、カスタマイズできる
  • 変えられるのは、シャツの袖の長さなどの細部、生地、色、染め、ステッチ
  • 五つの手順で選ぶ
  • 2020年12月から、店頭に並んだ

服は、毎シーズン新しく作るのではなく、ブランドの定番や、繰り返し売れる服を、店ごとに仕立て直す。リッツォは、季節や流行をこえた、小売店との緊密な協力だと説明している。

赤、青、黄、緑、茶色の布の色見本と、はさみ
イメージ画像(AI生成):色を選ぶイメージ

なぜ、始めたのか

リッツォは、次々に新作を出すことに追われて、創作の勢いと、研究の時間が奪われていた、と語っている。ゆっくりした歩みで、ブランドの定番を作り直す。ランウェイのコレクションは、もっと実験的に。この二本立てが、Canvas の狙いだった。

ロリス・メッシーナは、小売店のバイヤーが、慌てて、似た商品ばかりを選んでしまう問題にも触れ、Canvas は、自分の店と、客に合う物を、じっくり考える機会になると話している。

色を選ぶ

Canvas の画面は、人形のようなアバターが動く、アート寄りのデザインにした、とリッツォは話している。服の色や生地を選ぶ作業その物を、ブランドらしい遊びにした。色が豊かなブランドらしい、仕組みである。

その後

Designscene は、Canvas を、客が、デザインをカスタマイズして、「共同所有」する実験として紹介している。最終顧客に広げる計画は、WWD の記事でも、既に語られていた。

服から見る

Canvas は、服を、完成品として売らない発想である。買う人が、色や長さを選んで、自分の服にしていく。SUNNEI が愛したデニムのような、定番の服に、色や細部を重ねて、自分の一着にする。服選びの楽しさを、思い出させる実験だったと思う。

要点

POINTS
  • Canvas は、2020年に発表された、VRに対応した、小売店向けのカスタマイズのプラットフォームである。
  • 服は、毎シーズン新しく作るのではなく、定番を、店ごとに仕立て直す。
  • 30店、50点、2020年12月という数字は、WWD の記事による。
この記事を書いた人 Shiori Kinugasa
参考資料:WWD「EXCLUSIVE: Sunnei Retools Its Strategy Debuting Canvas, a Customization Project」 https://wwd.com/fashion-news/designer-luxury/feature/sunnei-retools-strategy-canvas-customization-project-1203662476/ Designscene「SUNNEI Founders Step Down After SS26 Auction」 https://www.designscene.net/2025/09/sunnei-ss26-auction.html Grailed「How Sunnei Have Become Milan’s Bright New Hope」 https://www.grailed.com/drycleanonly/sunnei-fashion-brand-history (確認日:2026年10月14日)

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