高い窓の大きな広間に、白い綿布をかけた作業台が奥まで並ぶ
SUCCESSORS

マルジェラから、ガリアーノ、グレン・マーティンスまで──Maison Margiela を継いだ人たち

創業者の退任から17年。Maison Margiela は、チームによる継続、ジョン・ガリアーノの10年、グレン・マーティンスと、舵取りが代わってきた。それぞれの時代を、複数の資料から読む。

文 Shiori Kinugasa | 公開 2026.10.27 | 更新 2026.11.05 イメージ画像(AI生成):アトリエのイメージ(実在の場所ではありません)
匿名の服を、誰が、どう継ぐのか。
三人の答えは、それぞれ違っていた。

マルタン・マルジェラの後(2009〜2014年)

Wikipedia によれば、2009年12月に、マルジェラが正式に離れた後も、後任は指名されず、メゾンは、デザイナーのチームによって、2014年まで運営された。nss magazine は、マシュー・ブレイジーが、2012年から、そのチームを率いたと書く。これは、同誌のみの記述である。

何もない白い部屋に置かれた三つの木の椅子。二つは壁際に並び、一つは窓の近くに離れている
イメージ画像(AI生成):白い部屋のイメージ(実在の場所ではありません)

ジョン・ガリアーノ(2014〜2024年)

就任と、社名の変更

ジョン・ガリアーノは、2014年に、クリエイティブ・ディレクターに就いた(Wikipedia)。FashionUnited によれば、2015年1月に、ロンドンで開かれた、ガリアーノの最初のクチュールのショーで、社名から「Martin」が外れ、Maison Margiela になった。この変更に、正式な発表はなかった。広報担当者は、New York Times に、メゾンの進化を反映した変更で、アルチザナルだけでなく、ブランド全体に及ぶと話している。

10年の間に

nss magazine は、ガリアーノが、アルチザナルのショーに、様々な実験的、マルチメディア的な形式を持ち込み、男女共通のコ・エド(Co-Ed)のラインを始めたと書く。同誌は、2019年春夏を、最初のコ・エドのショーとし、2020年春夏の、モデルのレオン・デイムの歩き方が、SNS で広まったと伝える。2024年春夏のアルチザナルを、ガリアーノの時代を締めくくるショーと位置づけている。

ガリアーノは、10年を務め、2024年12月に退いた(nss magazine、ロイター)。

グレン・マーティンス(2025年〜)

就任

2025年1月29日に、OTB と Maison Margiela は、グレン・マーティンスの、即日の就任を発表した(OTB)。10 Magazine によれば、マーティンスは、内装建築とファッションの学位を持ち、ジャン=ポール・ゴルチエでジュニア・デザイナーとして始め、2013年に、Y/PROJECT のクリエイティブ・ディレクターに就いた。2020年からは、Diesel のクリエイティブ・ディレクターも務めていた。2022年春夏のクチュールでは、ゴルチエのゲスト・デザイナーも務めた。

古い建物の、白い壁に挟まれた狭い階段と、手すりにかかる白い布
イメージ画像(AI生成):古い建物の階段のイメージ(実在の場所ではありません)

OTB の会長、レンツォ・ロッソは、公式の発表で、マーティンスが、マルジェラと同じく、アントワープの王立美術アカデミーで学んだ点にも触れ、マルタン、ジョンに続く、三人目のクチュリエを迎えると述べた。

最初の二つのショー

Numéro によれば、マーティンスは、2025年7月に、パリの Centquatre で、最初のアルチザナルを発表した。メゾン公式サイトは、このコレクションを、フランドルとオランダの中世建築に着想を得たと説明する。フランドルの美術と、メゾンの昔からの印を参照し、モデルの顔は、マスクやベールで覆われた。同誌は、割れたつま先のタビが、透明なウェッジヒールの靴やサンダルとして、現れたとも書く。

同じ年の10月に、最初のレディ・トゥ・ウェアが、Le Centquatre で発表された(Numéro)。この時の演出は、1989年の、子どもたちが最前列に座ったショーを、思わせるものだった。

見方

ロッソの言葉を借りれば、マルジェラがメゾンを生み、ガリアーノが最先端のクチュールハウスにし、マーティンスが三人目として続く。三人とも、顔を覆う手法や、アルチザナルという、メゾンの印を、それぞれの形で受け継いでいる。

要点

POINTS
  • マルジェラの退任後、2014年まで、メゾンはデザイナーのチームが続けた。ガリアーノは、2014年に就き、2024年12月に退いた(Wikipedia、nss magazine)。
  • ガリアーノの時代に、社名から「Martin」が外れ、男女共通のコ・エド(Co-Ed)のラインも始まった(FashionUnited、nss magazine)。
  • グレン・マーティンスは、2025年1月29日に就任し、同年7月に、最初のアルチザナルを、10月に、最初のレディ・トゥ・ウェアを発表した(OTB、Numéro)。
この記事を書いた人 Shiori Kinugasa
参考資料:Wikipedia「Maison Margiela」「Martin Margiela」 FashionUnited「Maison Martin Margiela drops 'Martin'」(2015年1月) https://fashionunited.uk/news/fashion/maison-martin-margiela-drops-an-m/2015011515172 nss magazine「John Galliano's top 5 fashion shows at Maison Margiela」(2024年12月12日) https://www.nssmag.com/en/fashion/39228/john-galliano-s-top-5-fashion-shows-at-maison-margiela nss magazine「Glenn Martens is the new creative director of Maison Margiela」(2025年1月29日) https://nssmag.com/en/fashion/39734/glenn-martens-is-the-new-creative-director-of-maison-margiela nss magazine「Martin Margiela: Anonymity & Design in Fashion」(2025年9月2日) https://www.nssmag.com/en/fashion/42452/martin-margiela-anonymity-design-miley-cyrus OTB Group「Maison Margiela appoints new Creative Director」(2025年1月29日) https://www.otb.net/news/maison-margiela-appoints-new-creative-director Inside Retail(ロイター)「Maison Margiela taps Glenn Martens as new creative director」(2025年1月30日) https://insideretail.com.au/sectors/maison-margiela-taps-glenn-martens-as-new-creative-director-202501 10 Magazine「Glenn Martens is appointed creative director of Maison Margiela」(2025年1月) https://10magazine.com/breaking-glenn-martens-is-appointed-creative-director-of-maison-margiela/ Maison Margiela 公式「2025年アーティザナル コレクション」 https://www.maisonmargiela.com/ja-jp/mm-brand-show-artisanal-25.html Numéro「Glenn Martens unveils his debut Maison Margiela Artisanal show」(2025年7月) https://numero.com/en/?p=704277 Numéro「Glenn Martens orchestrates a revival at Margiela」(2025年10月7日) https://numero.com/en/fashion/fashion-week-en/glenn-martens-orchestrates-a-revival-at-margiela/ (確認日:2026年10月24日。公式サイトのショーのページは、日付の表記が2024年7月4日となっており、年が合わないため、日付は書いていない)

CONTINUE READING