白いラベルと、4つの針目
NGV によれば、マルジェラは、飾りのない白い綿のテープと、番号の入ったラベルを、服の外側に見える、4つの白い手縫いの針目で留めた。無記名への関心から生まれた、この印は、今では、マルジェラの服の象徴になっている。
Even は、共同創業者のジェニー・メイレンスが、2017年の New York Times の取材で、デザイナーの名前を前面に出す服を嫌い、全ての服に、無地の白いラベルを縫い付けたと語ったと伝える。裏地のない服では、4つの針目が、外から見える。
0から23の番号
メゾンの公式サイトによれば、ナンバリングコードは、1997年に導入された、メゾンのラインを示す索引である。全ての商品は、13あるラインのどれかに属し、タグの数字を丸で囲んで、その所属を示す。0から23の数字が並ぶとする資料(Wikipedia、nss magazine)もあるが、実際に使われているラインは、13である。
公式サイトの説明を、主なものだけ挙げる。ライン0はアルチザナル、ライン1は女性のためのコレクション、ライン3はフレグランス、ライン6はエムエム6、ライン10は男性のためのコレクション、ライン11はアクセサリー、ライン14は男性のためのワードローブ、ライン22は靴である。エムエム6は、服の外側に見える、1本の白いステッチで、識別される。ライン22の靴は、それぞれのかかと部分の、1本の白いステッチで、識別できる。
再構成する、アルチザナル
公式サイトによれば、ライン0のアルチザナルは、メゾンのチームが手仕事で作り上げる、オートクチュールのコレクションである。見過ごされてきた物、捨てられた物、日常にある物を、素材として捉える。起源は、見つけた服を解体し、過去の痕跡を残したまま、新たな形に再構築する、創設時からの理念にある。公式サイトは、誕生を1989年とし、2012年から、パリ・オートクチュール・ウィークで発表していると書く。NGV は、1988年に、アルチザナルを確立したと書いており、年は資料で分かれる。

NGV の解説は、1997年春夏の、古いドレスの裏地で作られたドレスを挙げ、裏地や縫い目、ダーツ、紙の型紙を、飾りとして見せる手法が、マルジェラの、最も影響力のある手法の一つと書く。
タビ
Flaunt、Even、The Fashion Commentator は、足袋に着想を得た、つま先の割れたタビが、最初のショー(1989年春夏)から、登場したと伝える。Even によれば、モデルは、赤い絵の具に足を浸し、白い綿布の上に、足跡を残した。
Sotheby’s は、タビを、マルジェラの、最も息の長いデザインの一つと書く。割れたつま先が、太いヒールの上に、素足が乗っているような印象を作る。Sotheby’s によれば、メンズのタビが正式に出たのは、2018年である。
顔を覆う
Flaunt によれば、最初のショーで、モデルの一部は、シフォンやナイロンのベールで、顔を覆っていた。nss magazine は、その後も、マスクの形が、シーズンごとに変わったと書く。1993年春夏は、薄い綿のベール、2009年春夏は、ウィッグと赤い唇の組み合わせだった。この手法は、後任たちにも、受け継がれている。
ショーの場所
The Fashion Commentator によれば、1992年春夏のショーは、1939年から使われていなかった、サン=マルタンの地下鉄駅で、1600本の蝋燭の灯りのもと、開かれた。Even は、廃劇場や、救世軍の施設などでも、ショーを行ったと書く。席次表を置かず、客席を作らないこともあった。

見方
これらの印は、どれも、何かを足すのではなく、隠す物を見せる、という点で、通じている。白いラベルも、割れたつま先も、裏返した裏地も、同じ考え方から生まれている。


