背の高い本棚と、窓からの斜めの光が差す、古びた図書館の室内
2010–2025

Y/PROJECT、14年で幕を閉じたパリのブランドの歩み

2010年に、パリで、メンズのブランドとして始まった Y/PROJECT。創業者の死、グレン・マーティンスの就任、最初のウィメンズのショー、そして2025年の閉鎖まで。14年の歩みを、報道の原文から読む。

文 Shiori Kinugasa | 公開 2026.10.23 | 更新 2026.10.24 | 読了 3分 イメージ画像(AI生成):パリの古い図書館のイメージ(実在の場所ではありません)
暗く、厳格な服から、ねじれと、冗談のある服へ。
14年の歩みは、人が入れ替わるたびに、形を変えた。

始まり

パリの、メンズのブランドとして

AnOther によれば、Y/PROJECT は、デザイナーのヨハン・セルファティと、ビジネスマンのジル・エラルフが、2010年に、メンズのブランドとして始めた。AnOther は、拠点が、パリの10区と11区に面した、有名な音楽会場 Gibus の上の、5階のスタジオだったと書いている。

高い窓から見える、夕方のパリの屋根と、窓際の作業台
イメージ画像(AI生成):パリのスタジオのイメージ(実在の場所ではありません)

Highsnobiety は、初期のコレクションを、暗く、厳格で、革で縁取られた、荒々しい Rick Owens のようだと評している。マーティンスによれば、セルファティは、革の達人で、そのことが、服の裁ち方と、組み立て方を決めていた。

裁断台に広げた黒い革の断片と、藍色のデニム、はさみと定規
イメージ画像(AI生成):革の仕事のイメージ(実在の商品ではありません)

2013年の転機

創業者の死と、マーティンスの就任

AnOther によれば、2013年に、セルファティが亡くなり、エラルフは、自分の名前のウィメンズのブランドを続けていたマーティンスに、声を掛けた。Highsnobiety は、マーティンスが、喪に服していたブランドを引き継いだと伝えている。The Impression によれば、マーティンスは、2013年から、クリエイティブ・ディレクターを務めた。

マーティンスは、AnOther のインタビューで、セルファティへの敬意から、最初は、元の方向を残しながら、新しい物語を重ねようとしたと語っている。元の方向と、自分が思い描く方向の間の、移行のコレクションを作り、記事の前の年(2015年)に、自分たちの望む方向へ進むと決めた、という。

2016年、ウィメンズの始まり

最初のウィメンズのショー

AnOther の記事は、2016年3月に、Y/PROJECT が、最初のウィメンズのショー(2016年秋冬)を開いた直後に書かれた。マーティンスは、このコレクションを、エリザベス朝の少女が、幻覚を見ているような姿だと表現した。Highsnobiety によれば、マーティンスは、このコレクションを、ブランドの転機だと位置づけている。

同じ年に、Y/PROJECT は、LVMH プライズの最終候補になり(The Impression)、2017年には、ANDAM のグランプリを受けた(The Impression)。Rihanna や Kylie Jenner らが、着る人として知られた、とも伝えられている(The Impression)。

閉鎖へ

2024年、人と資金の変化

W Magazine によれば、マーティンスは、2024年9月に、11年務めたクリエイティブ・ディレクターを退いた。The Impression は、共同創業者のエラルフの死と、マーティンスの退任の後、パリの商事裁判所の管理下に置かれ、資金繰りの問題から、2024年秋のショーが中止になったと伝えている。nss magazine によれば、CEO のパスカル・コンテ=ジョドラも、同じ時期に、ブランドを離れた。

2025年1月、閉鎖の発表

nss magazine は、2025年1月9日に、Y/PROJECT が、投資家を見つけられず、閉鎖を発表したと伝えている。香港の投資会社 AA Investments が、4万5000ユーロでの買収を申し出たと、WWD の報道を引いて書いているが、ブランドの幹部は、コメントしなかったという。詳しい経緯は、別の記事で読める。

今、読むなら

閉鎖したブランドのため、今の商品や、購入先は、ない。創業から閉鎖までの歩みを、人物、デザイン、協業、閉鎖と遺産の、四つの切り口で、別の記事で読める。

要点

POINTS
  • 2010年に、ヨハン・セルファティと、ジル・エラルフが、パリで、メンズのブランドとして始めた(AnOther)。
  • 2013年に、セルファティが亡くなり、グレン・マーティンスが、クリエイティブ・ディレクターを引き継いだ。2016年に、最初のウィメンズのショーを開いた。
  • 2024年に、運営が行き詰まり、買い手が見つからないまま、2025年1月に、閉鎖が発表された(The Impression、nss magazine)。
この記事を書いた人 Shiori Kinugasa
参考資料:AnOther「Exploring Paris' Underbelly of Possibilities with Y/Project」(2016年3月7日) https://www.anothermag.com/fashion-beauty/8452/exploring-paris-underbelly-of-possibilities-with-y-project Highsnobiety「After 10 Years of Glenn Martens, the Y/Project Story Is Still Unfolding」 https://www.highsnobiety.com/p/10-years-y-project/ The Impression「Y/Project Closes After 14 Years」(2025年1月) https://theimpression.com/y-project-closes-after-14-years/ nss magazine「Y/Project has closed down」(2025年1月9日) https://www.nssmag.com/en/fashion/39462/y-project-closes W Magazine「Glenn Martens's H&M Collaboration Is a Final Goodbye to Y/Project」(2025年10月17日) https://www.wmagazine.com/fashion/glenn-martens-hm-collab-y-project-interview-pictures (確認日:2026年10月23日。ブランドの公式サイトは、閉鎖後の状態を、確認できていない)

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