ブランドの軸
実験と職人の技
MARNI 公式の説明は、MARNI を、洗練とエレガンスに、素材、シルエット、色への実験を結び付けるブランドと書く。デザインは、革新、創造、経験の出会いから生まれ、創造性と設計の厳密さの間で、新しい表現の領域を探る、とも書く。
2026年秋冬:創業者の時代を引用する
ファー、ポルカドット、ストライプ、チェック
FASHIONSNAP は、メリル・ロッゲのデビューを、「アーカイヴ・ヘリテージを引用しながら、自らの創造の手癖をなじませる」手法と評する。随所に、創業者のコンスエロ・カスティリオーニの時代へのオマージュがあり、フェイクファーは、ファーを祖業として発展してきたことを、ポルカドットは特大のスパンコールに、ストライプはグラデーションやテキスタイルの立体感に、チェックは、切り替えで角度をずらす形に、姿を変えた、と書く。
前任から転用した技法、1990年代のブーツ
同じ記事は、カラーテープ(帯)をプリントで見せる技法が、前任のフランチェスコ・リッソのコレクションから転用されたものと書く。シューズには、1990年代半ばに MARNI が発売したブーツから着想を得た型もあった。バッグでは、アイコンの「トランクバッグ」を、クラック加工のレザーと長めのハンドルで、肩に掛けられる形に更新したと伝える。
2027年春夏:開いて、再構築する
色と、縫い目
2シーズン目の2027年春夏について、FASHIONSNAP は、色が、創業者の時代を思わせるパープル、グリーン、ブラウン、グレーといった暗めの色調で、初期の MARNI の記憶に重なる、と書く。本来は工業的な縫製のトリプルステッチは、コントラストの色で、飾りのように見せた。アーカイヴからヒントを得た巨大なスパンコールのドレスも並んだ。

2004年春夏のビキニトップ
ロッゲが着想を得たものとして、同紙は、MARNI の2004年春夏のビキニトップや、建物を切断して内部を見せた作品で知られるアーティストのゴードン・マッタ=クラーク、1960年代の米国で服と身体の関係を問い直したデザイナーのルディ・ガーンライヒの仕事を挙げる。ブランドの原点の一つのファーには、食肉の副産物であるベビーゴートを使い、軽さと存在感を両立させたという。
トランケット
アイコンバッグは、「トランケット(Trunkette)」として、スエード素材の、横に長い形など、より軽やかな形で登場した、と FASHIONSNAP は書く。2026年秋冬のトランクバッグの更新と、2027年春夏のトランケットは、同じ流れの上にある。
読むときの目安
ここに挙げたのは、二つのシーズンで引用された手がかりで、MARNI の全部ではない。ディレクターが代わるたび、引用されるものは変わっていく。ブランドの全体は、「歩み」の記事で読める。


